2008年05月27日

1997/Before The Game 第64回日本ダービー(2)「もっと冷ややかに」

■新たなゲート

 ▼勢いを感じる新勢力の2頭、シルクジャスティスとトキオエクセレント▼
シルクジャスティスがこれまで見せてきた脚色はひょっとするとメジロブライ
トを凌ぐものかもしれない。馬群を縫ってきた「毎日杯」、スローペースを後
方から直線だけでまとめて面倒をみた「若草S」、3コーナーから進出しプレ
ミアムサンダーとのマッチレースを制した「京都4歳特別」。異なったレース
ぶりを見せそれでいてキッチリとした勝負に持ち込んでいるのが頼もしい▼ト
キオエクセレントは言われるように府中巧者であり、常に好位からレースを仕
掛けられるところに推せる材料がある。「青葉賞」もスローペースに折り合っ
て抜け出してみせた▼あとはこれまで戦ってきた連中の質と今回戦う相手やG
1での厳しさのに対してどう対処していくかということだ▼サイレンススズカ
の取る戦法ひとつなのだが、彼が折り合いを付ける方向性が高いことを考える
と、レースの流れは彼が暴れない限り落ちついた流れになる。しかし、どこか
でスパートを駆けたいサニーブライアンやフジヤマビザンがいて、他の騎手に
は今回は楽に行かせないという考えがあるだろうから、ポジションの取り合い
や駆け引きは相当キツイものになりそうだ。トキオエクセレントはこれまで厳
しい競馬をしてきたのだろうか?少なくとも好位につけて力の違いだけで抜け
出してきたという印象をボクは持っている。そのレベルでは強いのだろうが、
力強さという点では物足りなさを感じていた▼それならば、人気的にもう少し
前をみて行けそうなセイリューオーの方が幾多の重賞を経験してきた分上位に
みたい。また騎手の経験値も常にG1で好戦してきたキャリアと距離ロスをさ
せない乗り方を心がける蛯名正義のイン差しこそ、こういう混戦では頼りにな
るだろう▼シルクジャスティスの結論はもう少し下の方で触れる。

■4月のチャンプとフィールド馬

 ▼サニーブライアンは「皐月賞」を勝ったことで乗り方が非常に難しくなっ
た。前走は千載一遇のワンチャンスを先に行く強い意志とマークの薄さでモノ
にした訳だが、今回同じ騎乗をしてはまず目標にされるだろう。そうなると、
ここまでの好走歴を持ちながらまだマークが薄いフジヤマビザンをどう使うか
だ▼フジヤマビザンを他の先行馬と追いかけながら、早めに抜け出すことを大
西は考えると思うが、彼のこれまでの好走パターンはどこかで単騎逃げの形を
取ってアドバンテージを得るような展開だった。追い比べではやはり分が悪い
。もうひとつ幸運が彼の元で微笑めばそれも可能なのだろうが、常識的にはそ
れを望むのも虫のいい話しとなる▼調教自体はいいようなので、叩きあって1
ヶ月間の「皐月賞馬」としての成長力に賭けてみる手はある。それを裏付ける
のが「週間競馬ブック」のPHOTOパドックで見せる馬体の張りだ。8頭掲
載されている中では圧巻だと思う。前と腰回りの肉付きが特に凄い。依然人気
を背負うということはなさそうなので、ヒモ穴、複勝狙いなら面白い存在だ。

 ▼フジヤマビザンが善戦するにはレースが直線まで動かない形になることだ
ろう。どこかで速い脚を使わせられるようになると、これまで見せてきた直線
踏ん張って流れ込みを図るには厳しくなる。しかし「ダービー」でそこまでペ
ースぬ恵まれるかというと・・。▼サイレンススズカが目論見どおり折り合っ
たとして、どこまで後ろからくる連中と叩き合えるかは未知数。これに期待し
てはトキオエクセレントの評価は下げた意味がなくなる。もし、そんな形で勝
ってしまったのならある意味溜飲が下がりそうなのだが。やはりキャリアの浅
い馬は自分の持てる武器で戦って(そして散って)欲しい。買うのなら単・複だ
ろう▼マイネルマックスの中村均調教師のトーンが下がっている。「NHKマ
イルC」の見せ場のない負け方やレース後の体調が思った程上向かないのだろ
う。しかし、この馬は綺麗に差しきるという勝ち方をするタイプではなく、混
戦の中を渋とく抜け出してくるというダイナガリバー型。最終追いきりの姿、
その後の陣営のトーンを待って判断していいのではないだろうか。(木曜朝の新
聞を見ると芳しい文字は躍っていなかった)▼ビッグサンデーが今回「皐月賞」
におけるサニーブライアン的な存在になった。サニーブライアンが結果を出し
たことによって彼のことに神経を回す訳なのだが、陣営にどれだけ積極的に動
く意志があるかだろう。彼の出方次第ではレースが動く可能性もある。しかし
、サニーブライアンの下に2匹目の泥鰌はいないと考えるのが普通か▼エアガ
ッツを「朝日杯3歳S」で見た時、所属厩舎が同じということもありヤマニン
ゼファーをダブらせてしまった。実際、彼の体型は胴が詰まって四肢が短くゼ
ファーに似ていたのだ。このレースと「ホープフルS」で見せた馬群に怯まな
い勝負根性も気に入った。メジロライアン産駒のエースはこちらだと思ってい
た程だ。年が明けてのこの3戦の不振は一体どうしてだろう。折り合いがつか
ないと洩らしているが、3歳時にはそんなそぶりは少なくとも上記のレースで
は見受けられなかった。ここでガラリ一変は考え難いことだ。(それはテイエム
トップダンにも当てはまる)しかし、ここまで彼を見てきた行きがかり上、今回
どんなレースをするのかだけは見守ってやりたい。ゼファー的な体型だけにマ
イル前後合っているとシロウトは思うのであるが▼前走で信じたい馬券を砕い
てくれたマチカネフクキタル。もし彼がここで払い戻し圏内までくると、この
名は永遠に競馬史の中に残ることになる。福来たる。う〜ん凄い名前だ。「中
京」のウィナーズサークルでマチカネの馬主:細川氏に「頑張れよ!」と声を
掛けた程のマチカネファンの後輩:ヒトシは「マチカネフクキタルの単勝を買
って、今年はTVでダービー見ます」と言っていた。彼がダービーで狙う馬は
その後どこかで走るからなぁ・・。イブキラジョウモン、マルカオーカン。フ
サイチコンコルドはそのまま走しっちまったし。ちょっと気になるけど、この
後だな。やっぱり▼前で勝負する馬にピリっとした脚を使う馬が現時点ではい
ないというのがこの世代に対する不満だ。だからこそ「皐月賞」でどう抜けだ
そうか、と出走馬が考えている間隙を縫った馬が勝利を得たのだろう。勝負は
余り深く考え込んでもいけないものなのかもしれない。ここで挙げた人馬がそ
ういった点を吹っ切れば、意外と彼らに今回の栄冠が輝くシーンがあり得ると
思ってもいいのではないだろうか。

■珠玉の2頭

 ▼シルクライトニングが前走使った脚には本当に驚いたのだが、ここはあの
脚が本物かどうかが試される1戦となる。これはボクの創作格言なのだが(格言
と呼べるものかどうか)「皐月賞でインを突いて伸びた伏兵馬は黙ってダービー
で狙え」というものがある▼一般的なイメージとは逆に、ボクには展開次第で
は小回りの「皐月賞」の方が広い「ダービー」より追い込みが利くと思ってい
る。そして展開の助けを借りて追い込んだ後方伏兵組より、小回りコースのイ
ンを鋭く伸びてきた中団伏兵組の方が、たとえ長い直線を持つ府中でも前に付
けられるアドバンテージと差し脚を活かし易いと思えるのだ。ウィナーズサー
クル然り、メリーナイス然り。(後者の場合は着順はよくなかったが、2着以下
は大激戦だった)▼鋭い脚を使ったというところがポイントで、ボクはこれまで
彼を応援しながら肝心の「皐月賞」で買わなかったクチなのだが、ここは彼の
使った脚を信じてみたいと思っている▼彼とのインコースの取り合いで負けた
分、2着と5着という差になったと思われるセイリューオー。トキオエクセレ
ントより上という評価を先に下したのだが、彼には常時善戦型というイメージ
が付きまとう▼切れるというより持続力のある脚の様なので、相手を待って追
うというより開いているところがあれば早めに勝負に出た方がいいだろう。蛯
名正義が素早くインの開いたところを突けるかどうかだ。ボクは彼らがそうい
う戦法を取るという仮定の上で狙ってみるつもりなので、逆に前をカットされ
るというリスクを承知しておく▼蝦名正義の△馬(単勝5番人気程度)での健闘
ぶりは目を見張るものがある。プロモーション、ホッカイルソー、ステージチ
ャンプ等々皆見せ場を作り、そしてあと少し足りない壁を感じさせもしてくれ
た。そのあと少しは乗り役にとって本当に遠かったと思う。一昨年のステージ
チャンプでの過ちのガッツポーズ(ハナ差惜敗)で、彼は痛切に感じたのではな
いだろうか。だからこそ昨年のバブルガムフェローでの馬上シャウト(代打騎乗
でG1ゲット)で喜びを爆発させたのだろう。きっと「あと少し」の部分で騎手
サポートしてあげられる技術、精神的なものを会得したと思う。セイリュー
オーは鞍上と自身で動けるという点で狙ってみたい馬だ。。

■野武士、現るか

 ▼メジロブライトは一部で目にした体調不安が現実のものとならなければ、
間違いなくゴール前では連対圏内にいることだろう。そういった意味ではこう
乗ればと注文をつける馬が多い中、やはり今年の主役は地力で勝負できる彼な
のだろう▼しかし、サニーブライアンのところで触れたPHOTOパドックを
見ると、先入観なしに「細いなぁ」と感じる。こんな馬体だったのかと試みに
今年彼が走ったレースのバックナンバーを見ると、明らかに毛艶・前、腰回り
の筋肉の張りがないことが分かる。この馬体イメージを持って当日のパドック
を見てみることにする。明らかに筋肉の付きが落ちて細く感じるのならば、こ
こは見送ってみる▼ブライトの馬体が問題なしと判断した場合でも、後方から
行きざるを得ない馬なので、地力勝負型ながら他力本願の要素を持つ点が弱み
だ。中団からより前で抜け出す馬達の出来次第になってしまう面がどうしても
気になる。更に自身と同型の追い込み脚質ながら、追走ポジションを変えられ
る器用さがあるシルクジャスティスの出現も

 ▼シルクジャスティスに乗る藤田はどういう戦法を取るのだろうか。使える
脚の破壊力、可動範囲が長いことは分かっている。そしてこの馬が追い込み脚
質にならざるを得ないスタートの悪さも承知済みだろう▼藤田は前走の相手を
プレミアムサンダーと決めていた節があった。であればこその3コーナーマク
りだった。相手を決めた時の度胸の良さと判断力、追わせる腕力がこの騎手の
良さだが、イメージよりも大外一気が決まらない「ダービー」で敢えてその戦
術を選択してくるのか、そして基本的な自分の相手をどの馬と見定めるのか▼
前で脚を使えそうなのはシルクライトニングとボクは評価を落としたがトキオ
エクセレント。後方ではメジロブライト。アドバンテージを握る先行勢を射程
距離において尚且つブライトの脚を封じ込むには同型の馬にないある程度の自
在性を駆使するしかない。ブライトに外を回らせて自身は少しでも距離ロスを
避ける。そういったポジショニングを狙ってくるのではないか。縦長の展開に
なればご破算だが、ある程度の集団の固まりになれば不利を受けにくい外につ
け、ブライトより前か同じ位置ならばひとつ内側といった具合に▼結論は自分
の馬の使える脚を信じて、先行勢に注意を払いつつ相手はブライトと捉える。
そして強気な藤田だけにブライトより先に仕掛けると読む。

 ▼そこで出来る綾をつく馬がいるとすると、同厩舎のエリモダンディーとラ
ンニングゲイル。同厩舎の2頭出しはよくあることだ。しかしビッグレースで
同厩舎の馬それぞれが同じ追い込み脚質というのは珍しい。人気はもう断然シ
ルクジャスティスに傾くのだから、河北としてはこれまでよりも乗りやすいく
なった。「2頭出しは人気薄を狙え」とはよく言われることだが、パターン的
にはこの形に嵌まることになる▼エリモダンディーの使える脚の長さは、シル
クジャスティスやメジロブライトより短い。しかし切れでは大久保調教師も言
っている様にヒケは取らない。また少しでも速い流れになった時に馬群がばら
けるならば小柄の彼は揉まれることなく動きやすくなる。そこでライバル達が
勝ちにいく面が出てくると決め手が生きてくる可能性がある。自身の体調は伝
えられる追いきり内容からみるといいようであるので、この馬はやはり出走し
てくる限り常に注意しなければいけない馬だろう▼彼が好走した場合は、ヒカ
ルイマイ(見たことはないですよ。その1年後のダービーからは見てますが)の
直線一気が炸裂するのではないだろうか。ただし、馬券は絞るという方向性な
のでそこまで手を広げられるかどうか▼ランニングゲイルが後方から進んで勝
機を得るには、この綾を突くよりも、自分の競馬に徹することだろう。マクる
のは確かに容易なことではない。しかし、同じ位置どりで末脚勝負に持ち込む
には、ブライト、ジャスティス相手では分が悪すぎる。どこかで彼なりの勝ち
パターンに持っていくことだ。武豊も前走でスパートのタイミングをある程度
計れただろう。ボクにはそこで踏ん張りきれる力は備わっていなかったが(関係
ないな自分の走りのことは)、中団から長い脚を駆使してどこまで戦えるか。そ
れを見せて貰う。

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posted by onlykiwi at 17:12| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | NETJRA2(過去の競馬予想) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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