2008年05月06日

1999/Before The Game 第4回NHKマイルカップ「受動的な能力」

私服通勤、昼休み60分。
この2つの条件は、2年前に通っていた工場時代と同じだ。
引っ越しに伴う忙しさにかまけて1ヶ月近く走っていなかったボクは、この
環境を最大限活かすべく、先週の木曜日からランチタイム・ジョガーとなった。

第一京浜を渡って増上寺に着くまでがアップ、その帰りがダウンという風に
位置づけ、メインが芝公園内回りコース(ちなみに左廻りです)を2周というもの。
1周のラップが7分前後だから、今の走りのレベルから考えて周回は1km
ちょっとなのではないかと推測している。

*** *** *** ***

一度も一緒に仕事をしたことはないが、府中にいた頃 喫煙エリアで顔を合わ
せていた課長がいる。
きっかけはもう忘れてしまったが、ISO関係で顔見知りだったこともあり、
そのエリアで世間話しをした。すると、話題は ボクらが座った先に見える府中
競馬場のことになり、この課長がたいそう競馬好きであることが分かった。
そのNさんが「NHKマイルカップ」をこんな風に評した。
「今年4回目を迎えるけど、昨年までの連対馬はすべて(外)で、内国産が勝利
を収めるのはいつになるのだろう?まるで創設当時のジャパンカップだね」と。
納得の一言であった。
 関係ないけど、地方版「日刊競馬」の『納得の一枚』というコラムが好き。

それでも「ジャパンカップ」(JC)は、創設3年目にキョウエイプロミスが
連対を果たし、翌年カツラギエースが日本馬として初めて優勝した。
あの頃の厩舎関係者たちの熱意溢れるコメントを覚えている訳ではないが、
JC創設当初は出走すること自体が名誉的なところがあったと思う。
1、2年目の惨敗という結果を受けて、「まだ日本馬では通用しない」「いや、
チャレンジする意義はある」等々の意見は語られていた。
ところが、この「NHKマイルC」においては、4歳クラシツクシーズンの佳
境という時期的な問題もあるが、「(外)ダービー」と簡単に語られてしまい、外
国産馬と内国産馬対決の図式がまったく見えてこないのが現状である。

創設時、ボクはこのレースの存在意義が問われる、あるいはレースの明確な性
格付けは5年後にある と考えた。
それはその位の時期を経て内国産マイラーの生産、育成、ローテーションがこ
のレースに向けられると期待したからだ。
この3年間「NHKマイルC」は古馬「安田記念」より激しい消耗戦のレース
をしている印象が強い。内国産の一線級を抱える陣営が、生半可な形でここを使
うことに躊躇いが生じるのは確かだろう。
が、その死線をくぐり抜けた勝ち馬の2頭は、昨年仏G1「モーリスドギース
賞」を制し、もう間もなく「イスパーン賞」に挑戦しようとしている。それぞれ
にステップアップしているのだ。
ファンにとって彼、彼女らが外国産馬という意識はない。チャレンジしている
事実だけがある。
マイル適性がある内国産馬は、4歳春のこの時期ならば「NHKマイルC」に
チャレンジするケースが出てきてもいいだろう。
スティンガーに出走して貰いたいのではなく、すべからくチャンスがあれば
クラシックへという姿勢は、自らの可能性の選択肢を摘み取っているだけなので
はないだろうか?
と、Nさんの一言から 自分でも忘れていた このレースに期待したことを思い
出した。

絶対的な本命馬の不在 というのが今年の戦前の風評。
この意見に異論はない。
前哨戦が重馬場だったこと。その「NZT4歳S」を制したザカリアが、デビ
ュー当初から熱い期待を背負っていた訳ではないからだ。(後者は単なる馴染み
の問題だが)

手前勝手な府中マイル戦の理想として、前で頑張りきる馬に勝機が訪れること
を願っている。レースの流れに自ら乗れるタイプが、スピードと底力を発揮する
舞台とイメージしているからだ。
この3年間のレースは嬉しいことにそれを実践している方向で決着がついてお
り、今年も踏襲路線で予想をしていきたい。
ただし、今年のメンバーの本質は「現時点で輝ききれていない」こと。
これが本命馬不在の構造の中核をなす理由だが、前半の3ハロンを35秒台ソ
コソコで突っ走る消耗戦ゆえ、直線でこれまで発揮したことのない力が、レース
によって引き出されることは想定しておきたい。
つまり、今ある能力を能動的に発揮した馬(シーキングザパール、エルコンド
ルパサー)が勝つのではなく、ある意味で受動的に能力を引き出されたタイプが
勝つのではないか という想像である。

そのペースを作りだす馬にバイオマスターを指名する。
「アーリントンC」は自ら厳しいペースで逃げ、最後まで踏ん張りきった。
今回、彼が最後まで踏ん張りきれるかどうかはともかく、相手の力をレースで
引き出す有資格者だ。
田中勝春の勝鞍が思っていた程伸びないのは、「京成杯」フェスティブタイム
顔面殴打事件を引き出すまでもなく、騎乗に対する姿勢が如実に成績に結びつい
ていると考えている。
ただ無為なジョッキーではないので、厳しいペースを演出して なお且つ 前で
踏ん張りきる 騎乗を期待してみたい。

ともに好位抜け出し型の有力馬エイシンキャメロンとザカリア。
エイシンキャメロンは「NZT4歳S」での惨敗1つで見切ってしまうのは早
計なのではと思うほどの実績馬だ。
しかし、3歳暮れの「朝日杯3歳S」あたりから、たとえ負けたレースでも凄
みを感じさせないのは気になる点だ。
このレースの勝ち馬に求められるのは堅実さよりも爆発力だろう。
結局、レースのレベルが高くなければ この条件は覆るわけだが。

ザカリアは「もう1回レースを見てみたい」というのが本音。
前走「NZT4歳S」での勝ち方で気になったことは、力強さにやや欠けること。
先に抜け出したジュエリーソードを追いかける際に、僅かながら左右にフラつい
ていたことが、その要因になっていると思う。
あの時の芝は良馬場発表ながら、騎手が一様に「滑った」とコメントしており
馬場の巧拙が出た可能性がある。今回はパンパンの良だろう。
能力の糊代があれば問題ないが、1回見てからでは遅いので、答えは前走の印
象のままとする。

爆発力という意味で期待感があるのは、マチカネキンノホシとトウカイダンデ
ィーだろう。
しかし、この2頭のレースぶりは定義された範疇にきて初めて発揮できると
いった類なのではないだろうか。
少なくとも、想定されている器と現状の力を発揮できる範囲は 前者が後者を
内包している感じだ。その領域の差分が安定しない成績に現れていると思う。
マチカネキンノホシはペースが速くなれば一見有利そうだが、道中の追走に苦
労する分、差し引きゼロという見立て。それならば ある程度前につけるトウカ
イダンディーを、馬の好みも加味して期待したい部分はあるのだが。

レッドチリペッパーは牡馬混合戦での力関係が未知数だが、ハイペースでビ
シッと差してくる力はこれまでのレースで発揮している。(正月の「白梅賞」因
みにボクは 今年このレースしか当たり馬券を手にしていない)
坂路で51秒台を出せるスピード馬で、このスピードを厳しい消耗戦の中で
どう活かすかが課題だろうが、牝馬に骨太の底力を求めても仕方ないので、
これはこのままでいい。
気になるのは、Goサインが出てからの反応の遅さと、追ってからのフォーム
が首高になる点。ここ2戦の惜敗はペースとか馬場に左右された感があるが、
実は先に挙げた点が、敗戦の根っこの部分にあるのかもしれない。

ロサードの馬体が細いのは姉:ロゼカラー譲り。前走「NZT4歳S」での
伸び脚は1番だったが、現状揉まれ弱い面があり 後方からの追い込みではあ
れが限界だろう。
意外性の男:江田照の騎乗に期待といったところか。(馬券はS谷君に任せま
す)

というような感じで1頭1頭の印象を述べていくと、結局答えを導けなくな
る。バイオマスターが引っ張る消耗戦における期待ということで、早急な結論
を以下に。

タイキトレジャーは僅か5戦のキャリアで、芝は1200、1400m戦し
か経験していない。
芝の2戦は「クリスタルC」「NZT4歳S」の重賞でともに3着。
1200mの前者では終始追っけどうしで忙しそうな印象があり、1400
mの後者では進路が狭まった後から最後まで伸びてきていた。
彼の異父兄は2500mの重賞を制していて、彼自身 もう少し長い距離へ
の適性があるのではないだろうか。そこの部分に期待をかけてみたい。

前走で万馬券を演出したジュエリーソード。
結局、早目に抜け出したもののザカリヤに差されてしまい、勝者の評価を落
とすならば、彼にしてもそれは同義というのが筋だろう。
ここで推したい理由は、TV画面では伝わらなかった、抜け出す時の反応が
どこまで素晴らしいかというのが まず1点。(勿論、期待値込み。本当に素晴
らしければ 前走だって勝っているハズだから)
彼は陣営が言っているようにスピードに長けている印象を受ける。そのスピ
ードを これは難しい注文なのかもしれないが、厳しいレースの流れの中で 抜
け出す時に最大限に活かして欲しいと思うのだ。

もう1点が鞍上の渡辺薫彦。
彼は一昨年のこのレースでバンブーピノに乗りハイペースを演出した。
当時彼が語っていた「調教で抑えることを(バンブーピノ)に教えてきた」とい
うセリフに信憑性はなかった-実際にピノは行ったきりのレースしかしていな
かったし、コメントを信じるべき 渡辺への信頼感もなかった-が、今の彼なら
ば話しは別だ。
ジュエリーソードをどう御してくるかには俄然興味が湧く。
府中のマイルはスタートさえ上手くきれれば、先行馬は揉まれにくい外枠が
有利だと考えている。
まずスタート、次にペース判断から図った位置どりとスパートのタイミング。
最高の結果ではなかった「皐月賞」だったが、彼は高い期待という難しい注
文に過不足のない答えを見せてくれた。少なくともパートナーの力は、馬込み
を縫っていく騎乗の中で 発揮させたと思う。あれは勝負の綾の範疇だろう。
そこからもう一段高い答えを導き出すのは容易ではないが、何もそれを「ダ
ービー」だけに期待するのではなく、 ボクはここででも見てみたい。

◎ジュエリーソード
○タイキトレジャー
▲レッドチリペッパー
※バイオマスター

果たしてジュエリーソードの戦法は、誰かに能力を引き出して貰えるそれな
のだろうか と考えると 自分でも疑問を覚える。
引き立て役になってしまう確率が高い戦法かもしれない。
それでも、タイトルの意味もぼやけてしまうが、渡辺ジュエリーソードに本
命を打つ。
余談だが、彼の「ナベ」の字は、一般的な「邊」なのか、それとも少数派の
「邉」なのだろうか?
世に多いワタナベさん達は結構このナベの字に拘りを持っている。
(らしいよ)

タイキトレジャーはジュエリーソードのことを書くまでは本命のつもりだっ
た。
好位で流れに乗りたい彼は内枠の方がいいだろう。そうした運までも含めて、
受動的な能力がどこまで発揮出来るか だ。

馬券は印通りを本線に、この2頭からレッドチリペッパー、バイオマスター
へ。都合5点買う余裕があるかどうか分からないので、絞ってしまうことに
なるかもしれない。
となると、それは きっと好き嫌いになってしまうのだろうな。

*** *** *** ***

一応都心なので、昼休みだけYシャツを脱ぎ捨てて走っている人は そうはい
ないのだろうと思っていたら、これが結構な数の人が走っているので驚いた。
蝶が花に集まってくるように、ジョガーは公園に集うのかもしれない。
ボクはまったくマイペースで走っているのだが、中には本格的にランニングし
ている人達がいる。
彼らは10人ぐらいの集団ランをしていて偉くピッチが速いのだ。背中が見え
たかと思えばすぐにいなくなるし、抜かれて(周回遅れということ?)初めて後ろ
にいたことに気付く時もある。
ま、彼らにしても「マイペースだよ」ということなのかもしれないが。

こんなことを続けて、今月末の「山中湖ロードレース」(ハーフ)に付け焼き刃
で出場するつもりなのである。
posted by onlykiwi at 22:09| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | NETJRA2(過去の競馬予想) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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